Itsukaraの日記

最新IT技術を勉強・実践中。最近はDeep Learningに注力。

数式処理システムSageを使ってみました

現在、訳あって無線工学の勉強をしており、教科書に書かれた空中線整合条件(インピーダンスマッチング)を確認しようと、下記式が最大になるRの値を求めるため、手で微分して、微分された式が0になるRの値を求めようとしたのですが、結構面倒で挫折しました。
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数式処理は、数式処理システムに任せれば良いと思い、Maximaをインストールして試したのですが、解(R=Z)は求まるものの、表示で括弧が抜けており、今一つ。
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括弧を表示する方法をWebで調べると、幾つか解決方法が載っていたのですが、どれも今一つ。

原因は、MaximaGUIが直接使われることが少なくなっているためでした。少し前までは、TeXmacsがGUIとして使われていたようです。しかし、MaximaとTexmacsの連携も不安定で、バージョンがうまく合わないとうまく繋がらない模様(実際、繋がらなくて困りました)。

もう少し調べたところ、現在は、Maiximaを取り込んだSageが主流として使われている模様。

Sageは、仮想アプライアンスとして提供されるため、Virtual Boxさえあれば直ぐに起動でき、IPython形式のNotebookで色々と試せました。直ぐに使えて便利です。下記は試した結果で、括弧がちゃんと表示されています。
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なお、Sageの仮想アプライアンス英語キーボードで設定されているため、当初、記号がうまく入力できず困ったのですが、これは、Windowsのブラウザでhttp://localhost:8000にアクセスしてSageを利用することで簡単に解決できました。

Sage、名前は今一つですが、中身は素晴らしいですね。

Sageの紹介は下記を参照ください。
http://doc.sagemath.org/
「Japanese」の文書を選べば、日本語の説明が見れます。

宇宙の大きさ=宇宙のシュバルツシント半径?

過去の記事で宇宙の大きさ、質量、シュバルツシント半径などを、色々と計算してみましたが、今度は観測可能な宇宙 - Wikipediaの最後の方に書かれた「星の密度の測定値に基づいた推定」に基づいて、宇宙の部分空間のシュバルツシント半径を計算してみました。

部分宇宙の半径が全宇宙の何%であるかを横軸にして、部分宇宙の半径とシュバルツシント半径(単位は光年(ly))を縦軸にしてグラフを作成してみました。

物質だけの場合、物質+DM(ダークマター)の場合、物質+DM(ダークマター)+DE(ダークエネルギー)の場合のそれぞれでグラフを作成したところ、物質+DMの場合は、部分宇宙の半径が100%の時、つまり半径が丁度宇宙全体と同じ時に、部分宇宙の半径とシュバルツシント半径が同じになりました。

これは偶然かもしれませんが、何か、出来すぎな気がします。宇宙が膨張したときの半径が、シュバルツシント半径と同じになるように、宇宙内の物質+DMの量が増えていると仮定した方が自然な気がします。

物質だけの場合

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物質+DMの場合

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物質+DM+DEの場合

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計算結果の表

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銀河団のシュバルツシント直径

宇宙のシュバルツシント直径は、観測可能な宇宙の直径よりも大きいということを、少し前の記事で書きました。それならば、銀河が集まった銀河団でも、大きなものはブラックホールになりそうです。そこで、銀河がどのくらい集まった銀河団ならば、銀河団の直径よりも、シュバルツシント直径が大きくなるか(ブラックホールとして扱えるか)を計算してみました。

このためには、銀河団内の銀河の密度が必要になりますが、この数字として、ラニアケア超銀河団の数字を使いました。つまり、5億2000万光年の領域に約10万個の銀河が集まった密度を基準にしました。

下記がその結果です。銀河が10^10個(100億個)集まると、ブラックホールになるようです。つまり、100億個、つまり宇宙の全銀河数の0.5%がラニアケア超銀河団と同じくらい密に集まると、初めてブラックホールとなるようです。

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ブラックホールの大きさ・密度 メモ

前回記事で、宇宙をブラックホールにした時、シュヴァルツシルト半径がやたらと大きく、観測可能な宇宙の直径(約930億光年)よりも大きい事、ブラックホールは質量が大きくなればなるほど中身がスカスカになるということを書きました。

中性子が集まった中性子集合体(球と仮定)の半径が、どの程度の大きさの時に、シュヴァルツシルト半径がどのくらいになるか、また、シュヴァルツシルト半径内の密度はどうなるかを計算してみました。

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中性子集合体の半径が10Km~100Kmの間で、シュヴァルツシルト半径中性子集合体半径よりも大きくなるようです。ちゃんとした本やWebで調べれば、この値が書いてあると思いますが、目測では10Km*10^0.4=25Km位に見えます。なお、半径6Km位のブラックホールもあることを考えると、少し大きいです。

また、中性子集合体の半径が1000Km~10000Kmの間で、密度が1以下(水よりも低密度)になります。目測では1000Km*10^0.8=6000Km位に見えるので、試しに6500Kmで計算したら、ちょうど1.0になりました。地球の半径6371Kmよりも少し大きいです。

このときのシュヴァルツシルト半径を計算すると、約4億Kmとなりました。太陽から火星までの距離が2.3億Km、木星までが7.8億Kmなので、太陽系の木星軌道を包む球体を水で満たせば、ブラックホールになります。この質量を計算すると、太陽の約2.7億倍、銀河中心ブラックホールの約65倍となります。

下記、横軸の範囲を、宇宙の全質量まで拡大したものです。
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宇宙の大きさに関するメモ

昨日の記事で宇宙の全質量を求め、かなりコンパクトな領域に収まってしまうことが分かりましたが、今回、宇宙全体がブラックホールになったときの大きさを計算してみました。

物質だけで2.51E+03億光年(2510億光年)、ダークマター(DM)とダークエネルギー(DE)を加えると5.11E+04億光年(51,100億光年)となりました。

これは、現在の観測可能な宇宙の直径(約930億光年)よりも大きいです。

ちなみに、NGC4889は、質量が太陽質量の210億倍で、事象の地平面の直径が約1300億kmとのことなので、下記で合っていそうです。

NGC4889 銀河 宇宙(物質) 宇宙(+DM) 宇宙(+DE)
c(光速) 3.00E+08 3.00E+08 3.00E+08 3.00E+08 3.00E+08
G(万有引力定数) 6.67E-11 6.67E-11 6.67E-11 6.67E-11 6.67E-11
M(質量) 4.20E+40 4.00E+41 8.00E+53 5.18E+54 1.63E+55
r(半径=2GM/c^2) 6.23E+13 5.93E+14 1.19E+27 7.67E+27 2.42E+28
直径(2r) 1.25E+14 1.19E+15 2.37E+27 1.53E+28 4.84E+28
上記億Km 1.25E+03 1.19E+04 2.37E+16 1.53E+17 4.84E+17
上記光時 1.15E+02 1.10E+03 2.20E+15 1.42E+16 4.48E+16
上記光年 1.32E-02 1.25E-01 2.51E+11 1.62E+12 5.11E+12
上記億光年 1.32E-10 1.25E-09 2.51E+03 1.62E+04 5.11E+04

計算が合っているかどうか不安なので、Wikipedia超大質量ブラックホールについて調べたところ、ブラックホールの質量が大きくなればなるほど、中身がスカスカになるとのことです。

それにしても、まさか、宇宙全体のシュヴァルツシルト半径(の2倍)が、現在の宇宙の大きさよりも大きいとは、意外です。

宇宙の全質量に関するメモ

  • 2017/9/18 数値が少し違っていたので修正しました。

宇宙の全質量を中性子にして並べたらどのくらいの大きさになるか気になったので、超大雑把に計算してみました。宇宙全体で2兆個の銀河があり、各銀河で2千億個の恒星があり、ダークマターダークエネルギーを含めると、その20倍の質量があるものの、全宇宙が含む質量を中性子にして並べると、太陽系の天王星までが入る立方体に収まってしまう分かりました。結構小さいですね。具体的には、4.8立方光時(一辺が光速で4.8時間の立方体)に収まってしまいます。ちなみに、天王星までを含む立方体の一辺の長さは5.3光時です。

下記、計算結果をメモしておきます。物質だけでなく、ダークマター(DM)、ダークエネルギー(DE)を含めた表としました。

項目 物資のみ DM含む DE含む
宇宙の銀河数 2兆個 (2e12) 同左 同左
銀河の恒星数 2千億個 (2e11) 同左 同左
恒星の平均質量 2e30 Kg 同左 同左
宇宙の質量 8.0e53 Kg 5.2e54 Kg 1.6e55 Kg
中性子の質量 1.67e-27 Kg 同左 同左
宇宙の中性子換算数 4.8e80個 3.1e81個 9.8e81個
中性子の半径 1.2e-15 m 同左 同左
中性子外接立方体体積 1.4e-44 ㎥ 同左 同左
宇宙の中性子換算体積 6.6e36 ㎥ 4.3e37 ㎥ 1.4e38 ㎥
上記含む立方体の辺長 1.9e12 m 3.5e12 m 5.1e12 m
上記Km 19億Km 35億Km 51億Km
上記光時 1.7光時 3.2光時 4.8光時

意味があるか分かりませんが、宇宙の全質量に対するコンプトン波長は下記です。「宇宙は、1.4e-97 mの揺らぎから発生した?」とか、妄想してみたりして...

宇宙のコンプトン波長 2.8e-96 m 4.3e-97 m 1.4e-97 m

July Tech Fest 2017での発表資料をアップ

本日のJuly Tech Fest 2017での発表資料を、SlideShare にアップしました。タイトルは以前と変わりませんが、これまでDo2dle勉強会、WBAI、国際学会(Multimedia & Artificial Intelligence)で発表した資料の集大成となります。

www.slideshare.net