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Itsukaraの日記

最新IT技術を勉強・実践中。最近はDeep Learningに注力。

シンギュラリティサロンに参加。具体的な話が聞けました

機械学習 シンギュラリティ

7/30(日)に開催されたシンギュラリティサロンに行ってきました。「人類を再発明するのに必要なこと」というタイトルで、理化学研究所の高橋 恒一が講演を行いました。少し怪しげなタイトルと感じたのですが、かなり真面目な話で、シンギュラリティに対する取り組みの具体的な内容を聞くことが出来ました。

シンギュラリティ関連の本(下記)は一応読んでいたのですが、これまで、人工知能のことしか考えていませんでした。この講演では、下記の本ではあまり具体性が感じられなかったGNR(Genetis, Nano-technology, Robotics)の3つの分野に関して、現状の取り組みの具体的な説明があり、シンギュラリティの実現はかなり近いと感じました。

ちなみに、上記の本は下記の本の抜粋であり、下記の本には色々と書いてあるらしいのですが... 分厚いし、少し古そうなので、今のところ買う予定はありません。

Genetics+Nano

Genetics関連では、遺伝子を解読するシーケンサーの性能向上が想像以上でした。当初は、ヒトゲノム・プロジェクトでヒト1人の遺伝子を解析するのに数十億円と10年以上の期間が掛かっていたのに対し、本プロジェクトが終了した2003年から13年しか経っていない現在は、同じことが10万円でできるようになっている模様。

これにより、遺伝子を利用した研究や産業が急激に拡大しているようです。以前にテレビで見たSpiberという会社は、蜘蛛の糸の遺伝子を用いて、鋼鉄よりも強くて軽い蜘蛛の糸の繊維を生産していると聞いていましたが、単にそれだけではなく、遺伝子を使った幅広い素材の生産を目指している模様。これにより、これまで考えられなかった特性の資材が、安価に大量生産できるようになる可能性がある模様(素材革命)。

また、遺伝子は、ゼロエネルギーでの計算に使える可能性があるとのこと。ゼロエネルギーとは、ブラウン運動の分子の動きだけで、目的の処理が行えるというもの。例えば、細胞内での遺伝子関連の活動は、かなり複雑であるにも関わらず、ほとんどゼロエネルギーで処理が進んでおり、これを利用すると、膨大な数の素子を集積することが可能になる可能性があるとのこと。

ちなみに、LSI上のトランジスタは、1つあたりの消費電力は小さいものの、数が多いので、LSI全体としてはかなり大きなエネルギーを消費します。非常に小さな面積で大量の熱を発生するので、冷却が大きな問題になっています。遺伝子など分子レベルでの素子を使えば、冷却の必要もなくなり、膨大な数の素子を集積できます。

Roboics

この分野では、WatsonやAlphaGoを始めとした、人工知能技術が急激に発展しています。ただ、現在は、特定の分野に特化した応用しかできず、人間のような汎用性を持った人工知能は、まだこれからとのこと。

高橋氏は、人間の脳をモデル化して汎用的な人工知能(AGI: Artificial General Intelligence)の実現を目指し、「全脳アーキテクチャ・イニシアティブ」という組織を立ち上げたとのこと。その具体的な内容も紹介がありました。

なお、スーパーコンピューター「京」の後継プロジェクトの中で、人間の脳をまるごとリアルタイムでシュミレーションすることを目指しており、5年後には実現できる模様とのこと。5年後というと、2021年なので、思ったよりも早く、人間レベル(人間の赤ん坊と同じ学習能力?)の人工知能が完成するかもしれません。

AI駆動型科学

AIの手法は、幅広い分野に応用が可能であり、いろいろな研究や開発に応用することにより、研究期間を大幅に短縮できる可能性があります。高橋氏は、これをAI駆動型科学と呼んでいました。AI駆動型科学の具体的な適用も始めており、生物や科学の実験をロボットで自動化して、人工知能で分析するといったことを、国内の複数の機関で同時に始めているとのこと。

AI駆動型科学は、これを先に実現した国や組織が、他の国や組織が追いつけない速度で進化し、独占状態になる可能性があります。そのような、経済的な観点や、AIが社会に与える影響なども検討している模様です。

補足(1)

本講演、プレゼン資料が入手できなかったので、残念です。そういえば、講演会場で写真をとっているヒトが10人ぐらいいましたが...

なお、シンギュラリティサロンは、2012年に下記の本を書き、2045年問題/シンギュラリティという言葉を日本で広めた松田氏が主催で、シンギュラリティについて更に広く/深く知ってほしいということで、無料で開催しています。

松田氏は、京都大学や神戸大で航空工学や惑星科学の教授を歴任し、現在は退官していますが、シンギュラリティの世の中への影響度が非常に大きいことに懸念を抱いており、その中身を深く知ってもらうために活動してるとのこと。シンギュラリティサロンは、これまで、関西中心で開催してきましたが、最近は、東京でも開催しているようです。

感想

資料が手元にないので、うろ覚えで申し訳ありませんが、ともかく、シンギュラリティが具体的に進行していることが、かなり伝わってきました。

補足(2)

最近、我が家のメインPCは、Deep Learningの実験に専有しているため、PCで不便を感じてます。そのため、本を読んだりしており、以前に買った下記の本を読み終えることが出来ました。人工知能だけでなく、ロボット、3Dプリンタビッグデータによる人間のデータ化など、幅広い分野で書かれており、また、それらの分野の中心人物とのインタビュー記事が載っており、結構面白かったです。(人工知能の松尾先生、アンドロイドの石黒先生、「データの見えざる手」という本で有名になった日立の矢野さん、など)