exp(π*i) = -1をrubyで計算してみました
仕事でRubyを少し使っていたのですが、これまでは、Rubyの勉強をあまりせずに、既存のプログラムを見よう見まねで改修していました。少し深く理解したいと思い、Rubyのリファレンスマニュアルを読んだので、試しにプログラムを書いてみました。
内容は、を計算して、値がになるか確認するものです。
代入や加減乗除のオーバーロードにより非常に簡潔に書け、便利と感じました。
プログラム
RubyにはComplex型があるのですが、意図的にこれを使わずに、自前で複素数演算クラスを定義しています。
class C attr_reader :r, :i def initialize(r, i) @r = r; @i = i end def +(c) raise unless c.class == C C.new(@r + c.r, @i + c.i) end def *(c) raise unless c.class == C C.new(@r * c.r - @i * c.i, @r * c.i + @i * c.r) end def /(r2) raise unless r2.class == Float C.new(@r / r2, @i / r2) end def to_s @r.to_s + " + " + @i.to_s + "i" end end def exp(c, n, c1) s = c1 + c num = c # Numerator den = 1.0 # Denominator for i in 2..n puts "i=#{i}, s=#{s}, 1/den=#{1/den}" num = num * c den = den * i s = s + num / den end return s end pi_i = C.new(0, Math::PI) c1 = C.new(1.0, 0.0) puts "exp(pi_i, 50, c1)=#{exp(pi_i, 50, c1)}"
計算結果
結果は、正確なにはならず、「-1.1e-16」程度の大きさの虚数部が残ってしまいました。原因は、Rubyの浮動小数点の精度の限界によるものですね。
i=2, sum=1.0 + 3.141592653589793i, 1/den=1.0 i=3, sum=-3.934802200544679 + 3.141592653589793i, 1/den=0.5 i=4, sum=-3.934802200544679 + -2.0261201264601763i, 1/den=0.16666666666666666 i=5, sum=0.1239099258720886 + -2.0261201264601763i, 1/den=0.041666666666666664 i=6, sum=0.1239099258720886 + 0.5240439134171684i, 1/den=0.008333333333333333 i=7, sum=-1.2113528429825005 + 0.5240439134171684i, 1/den=0.001388888888888889 i=8, sum=-1.2113528429825005 + -0.0752206159036235i, 1/den=0.0001984126984126984 i=9, sum=-0.9760222126236073 + -0.0752206159036235i, 1/den=2.48015873015873e-05 i=10, sum=-0.9760222126236073 + 0.006925270707504691i, 1/den=2.7557319223985893e-06 i=11, sum=-1.0018291040136214 + 0.006925270707504691i, 1/den=2.755731922398589e-07 i=12, sum=-1.0018291040136214 + -0.00044516023820965686i, 1/den=2.505210838544172e-08 i=13, sum=-0.9998995297042175 + -0.00044516023820965686i, 1/den=2.08767569878681e-09 i=14, sum=-0.9998995297042175 + 2.1142567557955476e-05i, 1/den=1.6059043836821613e-10 i=15, sum=-1.0000041678091423 + 2.1142567557955476e-05i, 1/den=1.1470745597729725e-11 i=16, sum=-1.0000041678091423 + -7.72785889874728e-07i, 1/den=7.647163731819816e-13 i=17, sum=-0.9999998647395553 + -7.72785889874728e-07i, 1/den=4.779477332387385e-14 i=18, sum=-0.9999998647395553 + 2.2419510272822888e-08i, 1/den=2.8114572543455206e-15 i=19, sum=-1.00000000352908 + 2.2419510272822888e-08i, 1/den=1.5619206968586225e-16 i=20, sum=-1.00000000352908 + -5.289187244469688e-10i, 1/den=8.22063524662433e-18 i=21, sum=-0.9999999999243491 + -5.289187244469688e-10i, 1/den=4.110317623312165e-19 i=22, sum=-0.9999999999243491 + 1.0347741813843647e-11i, 1/den=1.9572941063391263e-20 i=23, sum=-1.0000000000013562 + 1.0347741813843647e-11i, 1/den=8.896791392450574e-22 i=24, sum=-1.0000000000013562 + -1.7072990308840883e-13i, 1/den=3.8681701706306835e-23 i=25, sum=-0.9999999999999793 + -1.7072990308840883e-13i, 1/den=1.6117375710961184e-24 i=26, sum=-0.9999999999999793 + 2.292021495202086e-15i, 1/den=6.446950284384474e-26 i=27, sum=-1.0000000000000002 + 2.292021495202086e-15i, 1/den=2.4795962632247972e-27 i=28, sum=-1.0000000000000002 + -1.405396847913007e-16i, 1/den=9.183689863795546e-29 i=29, sum=-1.0 + -1.405396847913007e-16i, 1/den=3.2798892370698385e-30 i=30, sum=-1.0 + -1.1097266936275162e-16i, 1/den=1.1309962886447718e-31 i=31, sum=-1.0 + -1.1097266936275162e-16i, 1/den=3.769987628815906e-33 i=32, sum=-1.0 + -1.1128644865909646e-16i, 1/den=1.2161250415535181e-34 i=33, sum=-1.0 + -1.1128644865909646e-16i, 1/den=3.800390754854744e-36 i=34, sum=-1.0 + -1.1128351600992583e-16i, 1/den=1.151633562077195e-37 i=35, sum=-1.0 + -1.1128351600992583e-16i, 1/den=3.387157535521162e-39 i=36, sum=-1.0 + -1.1128354033268814e-16i, 1/den=9.67759295863189e-41 i=37, sum=-1.0 + -1.1128354033268814e-16i, 1/den=2.6882202662866367e-42 i=38, sum=-1.0 + -1.112835401524659e-16i, 1/den=7.265460179153072e-44 i=39, sum=-1.0 + -1.112835401524659e-16i, 1/den=1.9119632050402823e-45 i=40, sum=-1.0 + -1.1128354015366612e-16i, 1/den=4.902469756513544e-47 i=41, sum=-1.0 + -1.1128354015366612e-16i, 1/den=1.225617439128386e-48 i=42, sum=-1.0 + -1.112835401536589e-16i, 1/den=2.989310827142405e-50 i=43, sum=-1.0 + -1.112835401536589e-16i, 1/den=7.11740673129144e-52 i=44, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=1.6552108677421951e-53 i=45, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=3.761842881232262e-55 i=46, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=8.359650847182804e-57 i=47, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=1.8173154015614793e-58 i=48, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=3.866628513960594e-60 i=49, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=8.055476070751238e-62 i=50, sum=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i, 1/den=1.643974708316579e-63 cexp(pi_i, 50, c1)=-1.0 + -1.1128354015365895e-16i
Google Colaboratory記事の俄人気に御礼!
Google Colaboratoryが便利・高速で凄過ぎる
Googleが研究の一環で提供しているColaboratoryを試してみました。
Jupyterと同じようなGUIでPythonのプログラムを実行可能で、GPUも使えます。
Jupyterと同様に、先頭に「!」を書くことで、Linuxのコマンドを実行可能であり、「!pip」「!conda」「!apt-get」などで機能を追加できます。
実行結果をファイルシステム上に保管でき、共有リンクを使って取り出せます。
ただし、12時間経過すると強制終了されて、ファイルは失われます。
しかし、Notebookが動いている仮想マシンにGoogleドライブをマウント可能であり、これにより、実行結果をGoogleドライブ上のファイルとして保管できます。
Deep Learningでは、途中の状態をファイルに保管して、そこからResumeできるようにプログラムを書くことが多いので、12時間で一度強制終了しても、Googleドライブに保管したファイルを使って学習を再開可能です。
試しに、Wide Residual Networks(WRN)のコードを実行してみました。このコードは、2016年時点にCIFAR10で最高性能を出したコードです。Colaboratoryを使って、16時間程度(途中で一度強制終了し、そこから再開)で結果を出すことができました。なお、当方のPCではGPUメモリが足りず同じ設定では試せませんでした(2GBでは足りなかった)。少し問題サイズを小さくして(depth=16からdepth=10にした)試したところ、Colaboratoryの方が問題サイズが大きいにもかかわらず、Epoch当たり処理時間は短かったです(当方PC: 3分53秒、Colaboratory:3分37秒)。
Deep Learningを個人的に試すには最適と感じました。
世界最高レベルのコードをこんな簡単・高速に試せるなんて、凄過ぎます!
Wide Residual Networks試行用Notebook
下記がWRN試行環境として作ったColaboratoryのNoteookです。共有設定していますので、リンクをたどれば、簡単にColaboratoryで実行できるはずです。
WRNd16w10(pytorch-v0.4).ipynb
Wide Residual Networksのpytorch0.4対応により一部変更した版(2018/9/30)。
https://colab.research.google.com/drive/1fDdGmFhh7X2Tu_Cg9yoDSY-9bM78w41s
NotebookにはWide Residual NetworksのPythonコードは全く書かず、「git clone」でコードを取得し、「import main」でメインのPythonファイル「main.py」をインポートし、「main()」を直接呼び出すことで実行しています。
ただし、このままではプログラムに引数を渡せないので、下記のように、間接的に「main()」に引数を渡すようにしています。この方法は汎用性があるので、他のコードを試す際も活用できそうです。
import sys new_argv = "main.py --save ./logs/resnet_20180204 --depth 16 --width 10 --ngpu 1 --gpu_id 0".split(" ") sys.argv = new_argv main()
下記は、学習状況を可視化するためのNotebookです。
visualize.ipynb
https://drive.google.com/file/d/1eq4wAkZijRmfxiaQLpy5nXsR6I9Tu89-/view?usp=sharing
WRNのコードが作成したログファイル「log.txt」をGoogleドライブで右クリックして共有リンクを取得した後、上記Notebookに共有リンク中IDを埋め込んで実行すると、先頭で示したように、学習状況を可視化できます。
上記コードは、WRNのコードに含まれていたものを流用し、可視化にBokehを使っています。なお、ColaboratoryのNotebookでBokehを使う際は、グラフを表示するセル内で「output_notebook()」を必ず実行する必要があります。これが分からず、最初はMatplotlibで表示していましたが、Bokehは、表示した後で部分的に拡大したりできるので便利ですね
WRNコードの場所(Github)
WRNの論文(Wide Residual Networks, 23 May 2016)
第一級陸上特殊無線技士の免許証が届きました
アクセスが多いのは「マウスコンピュータPC起動せず」
最近殆ど記事を書いていませんが、一応、コンスタントに毎日200人ぐらいのアクセスがあり、何見ているかアクセス解析結果を見たところ、相変わらず、アクセスが多いのは「マウスコンピュータPC起動せず」ぐらい。マウスコンピュータPCで困っている人が、よほど多いのでしょうね。
他の記事の方が力を入れて書いていたのに、アクセスが少ないのが残念です。
ハクビシンが天井裏から退散した模様
第一級陸上特殊無線技士試験に合格
第一級陸上特殊無線技士の結果通知が届き、平成29年11月14日付で合格しました。無線従事者免許証の交付を受けるには申請が必要で、申請から約1か月後に交付される予定です。